アフラック創業者・最高顧問
大竹 美喜
はじめに
スライド資料1 生産性新聞
アフラックの大竹でございます。私は2005年から経済産業省の「キャリア教育民間コーディネータ育成・評価委員長」を務めておりましたことから、本日お話させていただくことになりました。
アフラックにつきましては、「青いダックとねこ」のCMで皆様ご存じかと思います。私のプロフィールにつきましてお手元の資料をご参照いただければと存じます。
私は38年前「がん保険」を日本に紹介するためアフラックを創業。その後、11年間副社長、9年間社長、8年間会長を務め、その後9年間最高顧問という立場で、アフラックの経営にアドバイスをしております。
私はアフラックの経営を通じ最も重要視したことは「人間力」を養うことでした。創業から現在でも、私が社内・外で一貫して強調し続けているのは、人の 成長・育成には「人間力」を磨く以外にないということです。そのため、人材育成についてこれまで注力してまいりました。
今回、文部科学省、経済産業省、厚生労働省が合同で本シンポジウムを開催されることを伺い、国が本腰を入れてキャリア教育を推進することとなり嬉しく存じます。
本日は皆様にお伝えしたいことが多くございますので、ご参考までに資料を用意いたしておりますので、後ほどお目通しいただければ幸いです。
結論
スライド資料2 結論
今再び、日本、日本人の素養を磨き、人づくりをすることが、世界に誇れる日本に戻る要件であると思います。何故なら、「人づくりは国づくり」であるからです。
私が特別顧問を務めております広島大学の3年生がアメリカに留学し、苦労しているということを私に報告してきました。そこで私は、その苦労、挫折が強い人間力を生み出している。「与えられた道よりも、選びとった道」がいかに素晴らしいことか、将来必ず確認できる日が訪れます。とエールを贈りました。
自分で選びとる人生を歩むために、欠かせないのが「自分探し」です。自分探しができたとき、本当に好きで好きでたまらない仕事・天職に巡り合えるのです。
それには子供たちが自ら自分の人生を選べるよう、家庭、学校、社会が導き、手本を示すことです。私は中でも、現在は家庭教育が担う役割が重要になっているのではないかと思います。
現在のキャリア教育の中で欠けているものを、家庭、地域が一体となって養い、学校教育で後押しをする。親になったとき、親の教育を行う。何故なら、子供は親の背中を見て育つのですから。そこで自立できるよう指導し、自立を促すキャリア教育を行うことが必要なのではないでしょうか。
職業観
私は昭和14年生まれで今年73歳になります。広島で生まれましたので、6歳のとき、原爆、そして終戦を体験しました。
私は、これまで日本人が培ってきた高い倫理観、勤労意欲、教育水準、忍耐力を持つ信頼される人間になれということを、社会(家庭、近所)、そして学校から学びました。
何故なら、天然資源の乏しい国であるからこそ、人を資源と考え磨いてきた。事実、戦後の高度成長時代を創り出し、世界に誇れる日本となったのです。
戦中・戦後の貧しい時代を経験すると、若者には働こうという意欲が自然と溢れてきます。働くことの苦労は楽しみとは正反対かもしれませんが、自分あるいは家族に対する責任という意識が自然と生活を通じて出てくるのです。しかし、飽食を迎えた今は、そうした意欲、責任が乏しくなっているのではないかと感じます。
そう考えるとやはり私は、問題は教育であるということに行き着くのです。学校教育だけでない、子供の頃から家庭教育を含めて考える必要があると。
人づくりが国づくりであると思うからです。
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